『もうひとつちょうだい』

140SS

 旅行の準備をしてた時だ。相棒はシャンプーやボディクリームを詰めた入浴・就寝セットを確認しながら声を上げて、もうひとつちょうだい、と俺の後ろを指さした。
 手元には四枚綴りの正方形が三連、俺の後ろはそういう物のストック棚。
 旅先でどんだけするつもりだよ。少し呆れつつ、俺は棚に手を伸ばす。