『力のない抵抗』

140SS

 据え膳って言葉を聞いた。そうなろうと思った。
 押し倒して上に乗って、額を付けて見つめる。触れた胸に感じる鼓動は速い。なのに固まったまま何もしてくれない。
 俺の好きにするけど、いいの。身体を捩って諫める言葉を吐いてくるけど、本気なら跳ねのけられるって知ってる。
 なぁ、もう諦めて襲ってよ。