『「もう何も言うな」』

140SS

 軋むベッドの音より大きく、俺の耳に届くもの。
 れき、すき、もっと。離さなと言うように頭を抱かれて、溶けそうな呼吸と一緒に注がれるいつもより高い掠れた声は、俺の熱をどんどん上げて、薄く残った理性を剥がしていく。
 それ以上言われると、優しくしてやれねぇから。吐息ごと飲み込んで口を塞ぐ。