ACT3軸、くもぴの誕生日の夜に告白されるあーちゃん
そんな風に思われてないのわかってるし今すぐ返事欲しいなんて言わない、でも今から好きになってもらえるようにがんばっていい?
ずっとじゃなくていい、じゃあ、あざみの誕生日にまたちゃんと告白するから、その時にやっぱり駄目だったら振ってくれていいから、みたいなこと言われてうっかり頷いてしまう
その日から毎晩寝る前に対面なり通話なりメッセージなりで「すき」を残されるようになり、しかしがんばっていい?と言ったわりには寝る前のそれを言うとき以外はほとんど友達の距離なのでどきどきともやもやが蓄積していく
9月のある日、談話室通りかかったとき紬と話してた万里に捕まって、もやもやしてたのを指摘されて仕方なく吐く
無駄だと思いつつも知り合いの話だけどと前置いて、期間の事は三か月ちょいとの表現をしつつ
誰の話か察してるだろう万里をあえて見ないようにしてたら紬が「百夜通いみたいだね」という
平安時代の逸話、想い人に自分の愛を証明するために百夜通おうとした男は、しかし最後の雪夜に道半ばにして息絶えてしまう
縁起でもねえ、っていうのはそのひとに死んで欲しくないって言ってるようなもの。眉を寄せてきゅっと唇を噛んで目元を染めるその表情は、万紬には相手への気持ちの答えが出てるようにしか見えなくて。
「大丈夫だよ、少しだけど、100日には足りないでしょう?」
それはきっと、安心させてくれようとしたのだろうけれど。
何度も数えた7/20-10/25は98日。
そう言うってことは、誰と誰の話かはもちろん、誕生日から誕生日な事まで察してるってことになる。
それをはっきりでなくとも本人に伝えてしまってるって、この人はわかってるんだろうか。
何も言えなくなる。にっこり笑う紬がわからない。自分の顔が真っ赤になってるのがわかる。恥ずかしくてたまらない。
「…万里さん、俺あの人怖ぇ」
「知らなかったか?怖ぇ人だよ、紬さんは」
そしてなんやかんや誕生日前日の10/24の夜、毎日言われてた「すき」がない
もちろん九門は莇の日課を知ってるので、いつもは遅くとも寝支度中の21:40くらいには来るのに何もなくてちょっといらいらしながら就寝前の日課を終えてベッドに転がる
そのまま通話なりメッセージなりを待ってスマホを見つめつづけたら22時を回ってしまって、寝ようと目を瞑っても落ち着かなくて、スマホは鳴らなくて、耐えられずにもう一度画面を明るくした時には20分くらい経ってしまってる
最後の夜に命を落とした百夜通いの男の話を思い出してなんかあったんじゃないかって不安になって、まだ100日じゃねえだろクソが、とスマホ布団にたたきつけて部屋飛び出して203に奇襲かけたら珍しくちゃんと勉強して寝落ちてたとかそういうオチで
たたき起こせば普通に起きるので体調悪いとかでもなさそうでへなへなってなる
「毎晩毎晩言ってくんのに何も来ねえから焦っただろうが…」
「あざみ、待っててくれたの?」
オレがすきって言うの。
本当は、もうずっと前からわかってた。毎晩待ってる自分も、その鼓動の速さの理由も。夜のそれ以外ほとんど気配がないのにもやもやするのも、ぜんぶ。
今のと俺の反応でたぶんこいつにも悟られてしまったことも、わかってた。けど。
「…明日、また言うっつってたろ」
「あざみの誕生日にまたちゃんと告白するから」あの夏の日にそう言ったのは九門だ。
「それまでにちゃんと、覚悟決めとくから」
今のだって、返事したも同然だ。本当は今すぐ続きを聞きたくて仕方ないだろうに。
「うん」
こうやって頷いてくれるやさしいヤツだから。きっと、そういうところにも、俺は、
「じゃあ、これは今日の分」
すきだよ。
その声は、瞳は、今までの中で一番甘ったるかった。
10/25にくっつくくあざ
別名:100日弱後にくっつくくあざ
誕生日を並べた時に約100日だなーと思って、百夜通いを絡められないかと思った。
通う側に古典の教養があるわけがねえので()誰を通して出すのが適切かと考えた結果、紬がいいかなと思い、加えて概念姉妹もとい秋リダルキおよびカフェ友を絡ませたくて二人にご出演いただくことにした。
夏の間に一回くらいあからさまなアプローチをされていると思うし、学校にいるときに意識せざるをえないことが起こってるといいと思う。
そして10/25へ