『いっそ無理やりにでも』

140SS

 あいつの好奇心は子供みたいだ。
 恐れ知らずなきらきらした目。あいつが望みさえすれば、俺なんかの理解が及ばない、追いつけない高みまで、簡単に行っちまうんだろうから。
 あいつが離れてくくらいなら、いっそ、力ずくででも。
 俺の中に沈んでるこんなどす暗い欲なんて、あいつは一生、知らなくていい。