『耳もとで名前を呼ぶ』

140SS

 ゴールしたこいつが俺に飛びついてくるのもすっかりいつもの風景になって、押し倒された俺が冷やかされることも心配されることもなくなった。
 それから、興奮冷めやらないこいつが俺の耳元に熱い吐息混じりに俺の名前を落として煽ってくるのも、いつものことで。
 こっちのいつもは、俺たちだけの秘密。