『意地悪』

140SS

 お前の表情なら全部俺のもんにしたいから。思うのも当然だったんだ、どんな反応するんだろうって。
 一度に触れてた手を前からも後ろからも離す。天を仰いで泣くものも、やわらかく綻んだそこも、せつなくふるえている。
 潤んだ瞳が俺を睨む。唾液に濡れた唇から落ちた言葉に、どうにかなりそうだった。