『精一杯の笑顔』

140SS

 あの日船の上で見た視線によく似ていて、でも全然違うってすぐにわかった。ぼんやりした「いいな」じゃなくて、もっとまっすぐな「すき」。
 わからないはずない、俺が暦を見る視線と同じだったから。
 叶わないって知ってた、だから平気なんだ。でももう少しだけ待って。ちゃんといつもみたいに笑うから。