Because I love you(4) -Sunday,20th,march 12:34 NewYork-

Becaue I love you

 ぴこん。片耳だけ付けたワイヤレスイヤホンがスマホへの通知を告げる。一旦スケートを止めてポケットを探る。画面の表示を見れば、ランガからのメッセージ。
『もうすぐ』
 通知だけでそれを見て、アプリを開かないまま画面を暗くする。スマホを仕舞い直して、再びスケートを漕ぎ出す。両足をデッキに乗せて、ちらりと横を眺めた。
 流れていく景色は馴染みのない街並みだ。ビルが立ち並ぶ様と、狭く曇った空。そんなところは東京とそう変わらないようにも思えたけど、看板とかの文字が全部英語なのを見て、ここは外国なんだと何度目かの実感をする。カレンダーは春になったけどまだ肌寒い時期、この街は東京よりさらに空気が冷たい。アメリカはニューヨーク、俺はランガが出るパークの大会の会場へ向かっている。
 大会は暖かくなり始めた三月後半の日曜日の午後、今日これからすぐだ。大学生はすでに春休みに入ってるから、ランガは数日前から一人でニューヨークに滞在している。例の小畑さんに連れられて、知り合いのショップとかプロに会いにとか連れまわされたって昨夜の通話で言ってた。店勤めの俺は今日と明日、日月休む事になる分土曜は仕事だったから、こっちについたのはついさっき。余裕を持って到着はしてた。けど、ランガと合流はしなかった。なんとなく、顔を合わせづらい。久しぶりにあいつと離れた数日間、色々な事を考えすぎて。
 地元のパークと地元のショップが合同主催する、そんなに大きくない大会らしい。だけど、そのパークとショップをホームにしているプロスケーターが支援しているとかで、ゆくゆくはニューヨークのプロスケーターの登竜門になるんじゃないかと目されてる大会だそうだ。だから早めに若いスケーターを見付けたくてスカウトを送り込んでるブランドもあるとか。ランガを誘った小畑さんも、自分が支援を受けているスポンサーとか、知り合いのプロリーグ関係者にも声を掛けたというから、もしかするともしかするかもしれない。つまり、この大会で目立てばランガはアマチュア、下手するとプロ契約に近付くってことだ。
「プロかー……」
 要するに、スポンサー料だけで食っていけるスケーター。
 ずっと前から、ランガはプロになれると思ってた。その実力は間違いなくあった。東京に出てきて大会に誘ったのも、そういう理由がなかったわけじゃない。もっとでかい大会で勝って、世界中の人があいつの滑りの虜になる。ランガのサイコーにカッケーとこをいろんな人に見て欲しい。それを考えるとわくわくする。ランガ本人にも何度も伝えたそれに、嘘なんてない。
 だけど――そういう事を考える時。あの夏に芽生えた感情が顔を出す。ランガはすごい、俺とは違うって。考えてしまうんだ、いつまで一緒にいられるんだろうって。
 だって、それこそ愛抱夢とか、世界大会に出てるみたいな、トップレベルのスケーターと滑る楽しさは、どうしたって俺は与えてやれない。そんな俺に、ランガは俺と一緒だから楽しいって、ずっと俺と滑りたいって言ってくれた。あの時のランガの言葉を信じてない訳じゃない。
 けど、雪が舞うみたいなスノボー仕込みのスタイルの、すぐにでもプロになれそうな滑りをするランガとは、俺は違う。ランガと滑ったり、ショップ勤めたり、デッキ作ったり、スクール手伝ったり、デザイン勉強したり、動画いじったり。色々やってるしどれも楽しいけど、明確なものがわからない。
 俺は、どんなスケーターになりたいんだろう。
 どんな俺だったら、お前にずっとすごいって、かっこいいって思って貰えるんだろう。
 ランガが一等大切だ。俺はもう、あいつがいないスケートを楽しいと思えなくなっちまってる。俺なんかが独占してちゃいけないと思っても、俺の方から手を離すなんて、絶対できやしない。だけど。
 こんな俺を想ってくれる、好きだって言ってくれる、どんどんかっこよくなってくお前に、俺はこれ以上何をしてやれるかわからないんだ。

 ビルだらけの街並みは開けて、通りを渡れば公園だ。敷地の広いこの公園の、奥まった場所がスケートパークになってたはず。地図の確認に目を落としたスマホを片手に持ったまま、広場の脇の小路を滑る。
 ――ぴこん。
「うおっ」
 持ったままのスマホが震える。
 ぴこん。ぴこん。てゅりゅるりゅる。
 思考は鳴り続ける電子音に奪われた。続けて鳴ったメッセージアプリの通知音は、通話の着信を知らせ始めた。いや、俺滑ってるし。つーかすぐ会うし。着信音をそのままに滑り続けていると、ランプが見えてくる。スケートパークはすぐそこだ。
 ふと目に入る白い人影。近付いてくるそれは、見間違えようもない見慣れすぎた姿。ボードを背負って――俺に向かって走ってくる。
「え、ちょ、おま、」
 このままじゃぶつかる。慌てた俺が転びそうになりながらボードを止めたのと、ランガが抱き着いてきたのはほぼ同時で。
「、ッーーーー」
 ――ちょっと後退したけど、なんとか倒れないで済んだ。足を外れたボードが少し転がって止まるのを視界の端にとらえる。持ったままのスマホの鳴りっぱなしの着信を切る。俺をその場から動けなくさせている、肩に顔をうずめたまま動かない困ったヤツの髪を撫でてやる。
「どーしたよ、危ねえだろ」
 ランガが顔を上げながら俺の手にすり寄ってくる。
「メッセージ送ったのに既読つかないし通話出ないから」
 そりゃ滑って向かってんだからそうなるだろ。喉まで出かかった言葉は、顔を上げたランガの表情に引っ込んでいった。そんな寂しかった、って顔されたら何も言えないだろ。
「来ないかと思った」
 きゅ、と背中に回った手に少し力がこもる。……仕方ねえヤツ。
「んなわけねえだろ」
 ……ちょっと、会いにくかったのは本当だけど。ぽんぽん、と頭を撫でてやってから、俺に抱き着いたままのランガを立たせて歩き出す。ランガは俺の袖を引いてくるから、そっちにパークのプールがあるのだろう。示される方向に従って歩き出す。その前に、転がったボードを回収して。
「成田出るってのも連絡しただろ。ボードの最終調整にしたって、大会スタッフとかだってできるんだし」
 俺が同じフライトで行けないとなってから、ランガは俺が大会に間に合うのかをしきりに気にしてきた。俺がランガの滑りを見られるかどうかももちろんだが、出走直前のチェックをどうしても俺にして欲しかったと言う。出発直前にも職場のショップの工房でいじってやったランガのボード。それこそショップには腕利きのメカニックも何人もいるのに、ランガは俺にメンテをさせたがる。
 大会コースの近くに到着する。辺りを見るに大会はもう始まっていて、ランガはもう何人か後みたいだ。俺に送ったメッセージに既読が付かないから本当に間に合わないと思ってあれだけ走ってきたのかと思うと、ちょっと申し訳なくなる。ランガを連れてきた小畑さんが少し離れたところで金髪のスケーターと話している。こっちに気付いて手を上げるのに会釈を返す。
 ランガと二人、近くのベンチに座って、お望み通りボードを見てやる。デッキ、ウィール、トラック、それから。特におかしなところはない。たった数日、よっぽど変な乗り方しなきゃ大丈夫だとは思うけど、無茶や大胆はこいつの代名詞みたいなもんだから油断ならない。
「……うん、問題なし。つかさっきも言ったけど、これくらい俺じゃなくたって、つーか自分でだってできるだろ」
 いつかの日に困るのはお前だろ。……そんな事は、言えやしないけど。
「でも、暦に見て貰った方が安心するから」
 おまじないみたいなもんだろうか。ランガは続ける。
「俺は暦のボードじゃなきゃダメなんだ」
 暦のボードだから、暦と一緒だと思えるから、もっと速く、もっと高く、もっとたくさん滑りたくなるんだ。
 ランガはボードを抱きしめる。デッキの裏面、イエティのグラフィティ。グローブに包まれた長い指が、あとから描いたオレンジ色の文字を撫でる。
「最近の暦、たまにちょっと変だったから、少し不安になった。今日来てくれないんじゃないかって」
「……俺、変だった?」
 出逢ってからもうちょっとで丸三年、一緒に暮らし始めてからも一年になる。俺もランガも、相手のちょっとの変化に気付けるようになっている。気を遣ったり、甘えたり、うまくやってたと思う。今のランガの言う俺の『ちょっと変』は、たぶん、
「……あのときみたいな。暦が離れていっちゃいそうな、そんな感じがしたんだ。それでも同じ部屋に帰るし、毎日顔を見れらる。触れられる。抱きしめられる。それで満たされてたんだと思う」
 ――言われれば出発前、ランガはよく俺に触れられたがっていた。普段なら風呂はそれぞれの時間に済ませるのに一緒に入って来たがったり。寝る時もいつも以上にくっついてきたり。なんかあったのかな、とは思ってた。海外の大会初めてだし、なんか感じてんのかな、とか。言ってこないなら踏み込まない方がいいのかな、とか。そういうランガの行動の理由が、そんな。
「でも、俺だけこっちに来て。暦と離れて一人のベッドで眠ったら――暦がどこかに行っちゃうかもしれないって感じが離れてくれなくて」
 怖かった。
 ――俺が、いなくなるかもしれないと思ったからなんて。
「だから、今日はいつもよりキメるから」
「へ?」
 意思を持ったランガが俺の目を見つめてくる。一度きゅっと目を瞑って、大きく見開く。海を溶かした瞳をきらきらさせて、俺の拳にぶつけてくる。かたちづくる無限大。
「見てて。暦。サイコーにかっこいいの、見せるから」
 暦が俺から離れたいなんて思わなくなるように。
 この世の何より綺麗な笑顔を見た。両頬が包まれる。降り始めの雪が肌に触れて溶けるみたいな、あたたかいあまさ。
 じゅっ、と音を立てて離れていく。きらきらした青と、真っ白く舞う雪。俺の中には、それだけだった。

 窪みの手前からボードに乗る。プッシュ、加速をつけてからのロールイン。上体を低く、さらにスピードに乗る。対面のアールを登り切って、跳ぶ。空中でひらりと回転する様が綺麗だ。着地は曲面に、反対側を目指して風に乗る。中央のキャニオンを超えながら跳ぶ。高い。後ろ手でグラブ、身体がデッキに近い。長い滞空。長く曲面を周って、再び深いアールを上り出す。
 ――頬を冷たいものが掠めた。視界の端に白いものがちらつく。
 曲面を上り切る。コーピングから躍り上がる。跳ぶ。
 ――俺を捕らえる、きらめくマリンブルー。整った口元が、笑みをかたちづくった。
 時が止まったみたいだった。高く、高く。宙に躍る。足から離れたデッキが何回転もして、再び足に吸い付く。デッキを掴み、空を翔ける。――包むように、白が舞う。
 三月のニューヨーク。季節外れの雪の中、今までよりも高く、誰よりもクレイジーで、何よりも綺麗な、まるで奇跡みたいな。
 なのに、おまえは。

 プラットフォームに上がってきたあいつは、何人もに声を掛けられている。笑って応じながら小さく手を上げて、足早に群れる人々から抜け出す。近付いてくる。滑ってた時と同じだ。なんでお前はそんなまっすぐ、
「……暦!」
 ――俺なんかを好きすぎるんだよ。

「……ランガ、お前さあ!」
 パークのプールから離れた、バーチカルランプの後ろ。プラットフォームの下の、ほんのすこしの屋根の下。滑り終わるなり俺に駆け寄ってきたランガはどうしようもなく目立つから、仕方なく人目の少ない場所まで連れてきた。高いランプのふもと、二人だけになった途端にまたふにゃふにゃに笑って抱き着いてきたから、俺は名残惜しくも引き剥がすしかなくて。せめて話をさせてくれ。
 季節外れの白い雪は大きさを増して今なお宙を舞っている。けれど仮にも春の気温では雪のままでいられるはずもなく、足元では溶けて泥と混じってぐじゅぐじゅになっている。コースもそんな感じだから、大会はひとまず中断して様子見をするみたいだ。だから俺もランガを連れ出せたんだけど。大きく息を吐いてから、正面に向き直る。
 肩を掴んだ俺の腕の長さだけの距離の先、ランガはやわらかく笑っている。嬉しい、をいっぱいに伝えてくる甘い瞳に捕まったら俺はもうダメで、ずるずると崩れ落ちてしまう。ランガも視線を合わせるように同じ高さにしゃがみこんでくる。こてん、肩を預けた壁に頭を傾けて俺を見てくる。

「暦、見ててくれた?」
 ああ、見てたよ。
「一緒に練習してたトリック、初めてメイクできたんだ」
 初めてであの精度かよ。
「暦に見せたかったんだ」
 ……そうかよ。
「ねぇ、伝わった?」 
 伝わるも何も。
「俺、暦が大好きなんだ」
 惚れ直してくれた?
 ……そんなの、毎日だっつーの。

「……お前さ、ブランドの人に声掛けられてたんじゃねーの」
 舞い落ちる白は小さくなっている。ランプの裏側に寄りかかったままの俺は、正面で同じようにしてるランガの目を見られないまま、やっとの事で口にした。逸らした視界の端、ランガが首を傾げたのがわかる。きっと、俺が何を言ってるのか、心底わからないって顔をしている。
「ブランド……ああ、うん。そういえば昨日までで色んな人に会ったっけ」
 ランガの口から挙げられるのは、トッププロを何人も抱えてるデッキブランド、トラックブランド。それがどうしたの、なんて。お前、それがどういう事かわかってんのか。
「……プロリーグにも、話通してみるって、言われてたろ」
「だから?」
 さすがに少しだけ顔を上げてしまう。ランガは何が言いたい?なんて言い出しそうな、俺が思い描いたまんまの顔をしている。
「だから?ってお前……」
 俺の声にはどうしたって呆れがにじみ出てしまう。その声色にやっと何かを感じ取ったのか、ランガは少し目を見開く。
「……暦、もしかして、俺が行くと思ったの」
 ランガはそれ以上は口に出しては言わなかったけど、目は口ほどにものを言うなんてよく言ったもんだ。信じられない。そんな事あるわけない。考えもしなかった。そんな感情が、ランガの顔からはありありと読み取れる。
 俺は再び顔を伏せる。ランガの目を見られない。こういう時の沈黙は肯定だ。だって、その方がお前のためになるだろ。
「それで最近、ちょっと変だったの?」
 それで、っていうか、だって。
「暦は、俺に行って欲しくないの?」
「……そうじゃねえよ」
 お前のカッケーとこ、もっといろんな人に見て欲しいっ、もっと広いところ行くの、見たいって言ったろ。
 嘘はついていないのに、ランガの顔を見られない。
「ふふ」
 応えにすらなってない、心底楽しそうな、嬉しそうな、やわらかい笑い声。顔を上げるのがさっきまでと真逆の意味で怖い。どんな表情をしてるかわかりきってしまう。
「うれしい」
 暦、俺に行って欲しくないんだ。
 ――ほら、こいつは俺のぐちゃぐちゃした真ん中を、いとも簡単に拾い上げてしまう。
「……うん、俺も見て欲しい。行ってみたい」
 びくっ、身体が震えた。拾いあげた直後にそれなのか。やっぱり、お前がそれを望むなら、俺は。
「でも、それは暦と一緒にだよ」
 ――意味がわからないのは、今度は俺の方だった。顔を上げてしまった先にあったのは――そうだよ、いつかのビーフのゴールで抱きついてきた時みたいな、――さっき滑ってる時に目があった瞬間みたいな。
「ねぇ、暦」
 雪色が近付く。合わせられる額、絡まる髪。マリンブルーの中に、俺の赤がうつりこんでいる。
「俺の夢、聞いてくれる?」
 ランガは穏やかに口を開いた。

 スケートのプロの事を教えてくれたのも暦だったよね。ブランドにスポンサードされてパーツ提供して貰ったり、デッキブランドに所属したり、ドリンクメーカーの広告塔して給料貰ったり。あとは、自分のモデルのデッキをブランドから出して貰ってロイヤリティー入ったりだっけ?一握りのトップスケーターだけど、そうやってスケートだけで生きていく事もできるって。俺ならそうなれるって、思ってくれてたんだろ?
 大会で有名になった人、国際団体主催の選手権に出てる人、パート動画がすごい人気な人、大会作ったりとかスケート界に貢献してる人、いろんなプロがいる。
 俺がなれるって暦が思ってくれた、俺が行っちゃうって思ったプロは、大会とか選手権のプロなんだろうけど。でも、もしもプロになるなら、俺は動画からがいいと思うんだ。
 だって、ブランドの人もプロリーグの人も、動画を気に入ったから俺に声掛けてくれたって言うんだよ。どういう俺が一番クールかは一番知ってるって言って暦が作ってくれたのをベースに、二人で作った動画だよ。
 今日の大会だってそうだ。今日の俺がかっこよかったんだとしたら、それは暦に見て欲しくて滑ってたからだ。暦がどこかに行っちゃいそうだと思ったから、俺だけを見てて欲しくて、暦も好きな一番かっこいい俺で滑ったつもり。……その心配はなかったみたいだけど。ふふ。
 だからね、暦。みんながかっこいいって言ってくれる俺は、暦が作ってくれる。暦と一緒じゃなきゃできないんだ。
 暦、色々勉強してるだろ。デッキ制作とか、メンテナンスとか、インストラクターとか、デザインとか、ショップ経営とか。動画作りも。暦、スケートの楽しいをいっぱい伝えたいって言ってただろ。俺はそれ全部、暦と一緒にやりたい。いつかプロになるとしても、一番の所属は暦のところがいいし、デッキ出すとしても暦のがいい。
 俺は、俺のスケートごと全部、暦のものになりたい。

 ――どこにだって行けるヤツなんだ。スケートでプロを目指すなら、いくらだって近道ができる。世界の方が放っておかない、欲しがるヤツはいくらでもいる。たくさんの選択肢を与えられた、ごく限られた人間なんだ。
 それなのに、他の何より遠回りな、俺なんかのそばがいいって言う。俺が一緒にいなきゃダメだって、俺のスケートじゃなきゃ嫌だって、俺がいるだけでいいって、俺との楽しいが一番大事だって、満ち足りた顔で、幸せで仕方ないって笑うんだ。
 お前さぁ、勝手なヤツなのは知ってたつもりだけど、ここまでだとは思わなかったよ。
 なぁ、本当にいいの。
 俺はもうお前がいなきゃ生きていけなくなっちまってるから、二度とお前を離してやれなくなるけど、それでいいの。それがいいって、言ってくれんの。
 ……そんなのもう、観念するしかねーじゃん。

「なぁ、ランガ、」
 俺は、お前が、