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#kuazaxmas2023

だって、恋人たちの日なんでしょ?  今夜は恒例の寮のクリスマスパーティーだ。臣さんや綴さん、カントクが作ったごちそう、兄ちゃんと椋のお気に入りのお店のデコレーションケーキ。みんなでのプレゼント交換に、至さん主催のゲーム大会。実家で家族と過ごすクリスマスもあったかくて大好きだけど、寮のみんなとのクリスマスもすっごい好きだ。  だけどさ、椋の漫画とか太一さんの雑誌を見てると、クリスマスにはもっと別の特別な意味があるらしい...
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12.17 DRFペーパー

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荒川志太と友達夫婦(未満)

「志太~~~~!すっげーーーーーーかっこよかった~~~~~!!!!」 「うおっ」  ドアを開けるなり両手を広げて飛び込んできた友達に面食らう。そのままなら抱きついてきただろう手は俺に触れる前に引っ込んだ。見れば、後ろから首根っこをつままれている。 「お前、出てきたのが志太だったからまだ良かったけど他の人だったらどうしてたんだよ……お疲れ。キマってたじゃん」  前半は首根っこを掴んでる相手に、後半はこっちを向いて声が掛...
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もっと。4

2023.2発行「もっと。」の一部ですが、気に入ってるので再録します。 ---
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2023.10.25

あざみくんお誕生日おめでとうございます つきあいたてのくあざ ---  ちょっとだけ、時間ちょうだい!  脱衣所から出てきた莇にそう頼み込んだ九門が連れてきたのは、玄関のそばにある死角だった。本当にどこからも見られていないか辺りを見回して確認する。よかった、誰も見てない。ひとつ息をついて、ついてきてくれた彼に向き直る。 「……莇?」  いつも少しだけ見上げる緑色は伏せられて、さらさらの長い髪に隠されて見えない。身を屈...
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キスマーク

あれはいつだったか、天鵝絨町のイベントに駆り出されて、秋組総出で短い芝居をすることになったときだ。いつものようにメンバーのメイクを進める俺に、万里さんが声を掛けてきた。 「莇、俺もう着替えちまって手空いたから手伝うわ。とりあえず兵頭にベースメイクさせてくる。俺もベースは済んでる」 「お、おう」  そう言って俺のメイクポーチから十座さんの肌色のリキッドファンデを引き抜いて行った万里さんに、違和感はあった。いつもは万一に...
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にょた百合姉妹

「あとこれな。ダメージ少ないって売り出してるやつ。こっちも一応貰ってきたけど、香りが限定なだけで効果は普通に売ってるのと同じらしい」  買い過ぎたけど合わなかったと姉に押し付けられたスクラブを浴槽の縁に並べる。立ち上る薄い湯気ごしに見た妹分の顔は、いつもスキンケア用品を見る興味津々な表情とは程遠いものだった。 「ん……」  ここのところの心ここにあらずな様子が気になって、興味ありそうなもんを見せてみたが、それも効果が...
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稽古終わり・劇場前で【ひだまりのぼくら】

「んじゃ、お疲れさまっす!!」  稽古後、いつもは何もなくても残って質問なりなんなりしていく志太が、今日はそれほど遅くなく稽古場をあとにしようとしていて、僕は珍しさに声を掛けていた。言ってから、まぁ家族の関係だろうな、と思った僕の予想は、明るい声に裏切られる。 「今日はちょっとダチと約束あるんで!」  別にいつも努力しているのは知ってるし、一日や二日遊びに行くのを咎めるつもりもない。それにしても、それなりにハードな稽...
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エチュード練習、少女漫画より【ひだまりのぼくら】

ずっと、一番近くで見てきた。俺以上の理解者はいないと思ってた。今でも思ってる。たった数か月近くで過ごしただけの馬の骨に搔っ攫われるなんて冗談だろ?  なぁ、お願いだ。俺を、 『俺を選んでくれよ……』  表情は思い切り切なく、縋るように。喉から絞り出したみたいな必死な細い声、目の前の人間がいなければ死んでしまうというくらい。自分の足元に落としていた視線を上げてその人を見つめる。ああ、そこにいるのは焦がれてやまない―― ...
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買い出し帰り・後部座席で【ひだまりのぼくら】

車の揺れに身を任せながら、窓の外を流れていく景色を眺める。青い空は高くて、すっかりオレたちの季節だ。外から入ってくる空気は生温い。オレが開けた窓は運転席から閉められて、エアコンが動き始める音がする。まぁ、インチキエリートじゃ仕方ないか。  ポケットに入れていたスマホが震える。見れば一成からのメッセージで、これからインステライブをやるという知らせだった。インステの方は数が多くて通知を切ってることを知ってるからか、時々わ...
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フルーツキャンディーバー あたりつき

2023.7.1開催の九莇webオンリー内利き小説企画に参加させていただいたものです。
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仲ルバレンタイン2023

MPD九門くんバクステベースのバレンタインネタ。
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幸視点九莇

例えば兄貴の公演の初日を観たときとか。本当に感極まったとき、九門は少しの間無表情になる。  一緒に秋組公演を観る機会が多いオレたち夏組はもちろん、劇団員ならそれなりの人数が知ってたと思う。だから、一番近くにいる人間が知らないはずないとは思うんだけど。さすがに緊張してるってことかな。  目の前にいるのは無表情の九門、それからオレの渾身の力作を着た莇。いつもよりずっと綺麗にメイクした莇は、感情の見えない九門に不安そう。で...
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オレンジの恋路

むっちゃん誕のあーちゃんボイスを受けてざかざかしたあーちゃんが少女漫画を読んでる万ちゃん視点の話。
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同棲設定の話